にぎわい戻った国立美術館  スペインから

世界的なコロナ禍による移動制限も解かれ、世界有数の観光国家スペインには観光客が戻っている。2023年は1~10月期で7471万人となった。これは、8350万人を数えた19年に匹敵するか、あるいはそれを超える可能性もあるにぎわいだ。

この勢いは、首都マドリードにあって人気観光スポットの国立プラド美術館の入場者数に反映された。このほど発表された数字では年間338万人で、過去最多となった。

プラド美術館は1819年、王立美術館として開館。日本が明治維新となる1868年、現在のプラド美術館に改称した。所蔵作品は、15世紀から歴代のスペイン王室が収集したもので、約8700点に上る。とりわけベラスケス、グレコ、ゴヤなどの巨匠画家の作品が多い。このため、パリのルーブル美術館などと並ぶ世界四大美術館に位置付けられる。

また、他の美術館にない特徴がある。それは、クラシック絵画のみ所蔵するというものだ。例外だった時期もある。かつてプラド美術館館長を務めたことがある近代絵画の巨匠ピカソの最高傑作『ゲルニカ』が展示されていた時だ。その後、「古典絵画のみ」という基本方針に戻り、『ゲルニカ』はプラド美術館に隣接するソフィア王妃芸術センターに移管された。このため、入場者数を比べると、同芸術センターの方がプラド美術館を上回るようになった。

とはいえ、200年の歴史を誇るプラド美術館にとって、世界中の美術ファンを魅了し続けてきたことは間違いなく、入場者数の記録更新を地元市民らは大いに喜んでいる。(T)

spot_img
Google Translate »