【上昇気流】(2024年2月23日)

仮置き場に運び込まれた冷蔵庫などの災害ごみ=4日、石川県穴水町

能登半島地震発生から8週間近くとなる石川県七尾市に来ている。市のほぼ全域で断水が解消し、災害関連死の危機は減ったが、大量に発生した災害ごみが復旧・復興を阻んでいる。

ほぼ全壊した知人宅の中を見る機会があった。古い木造の家で、土壁が崩落していた。取り壊す前に中の物を出さなければならないが、家族だけではできそうもなく、ボランティアの助けを借りるしかないとのことだった。

市の災害ごみ仮置き場には荷台に畳や家具などを積んだ車が列をなし、2時間近く待つことも。倒壊した家屋が道路を塞いでいる所もある。住宅被害は七尾市だけでも1万4000棟以上に上り、取り壊すしかないものも少なくない。そこでさらに大量のごみが発生する。

石川県によると、地震で発生した災害廃棄物は県内で244万㌧に上ると推計されている。平時のごみ排出量の7年分に相当する。珠洲市に至っては132年分という。実に気の遠くなる話である。

知人宅には、昔布団などを仕舞うのに使われた黒塗りの古い長持ちもあった。時代劇にでも出てきそうなもので、開け閉めのための金具もちゃんと付いている。アンティークショップに売ることを勧めたが、とにかく早く処分したいとのことだった。

災害ごみを減らすために分類し、リサイクルすることも奨励されている。ただ実際には、分類作業をする人出が不足している。復旧・復興への第一歩は災害ごみとの戦いであると痛感する。

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