独自色豊かな沖縄の祭り

那覇ハーリー

沖縄県内には多くの伝統的な祭りが存在している。海上で船を漕(こ)ぎ競い合う各地のハーリー(糸満では「ハーレー」)や、大勢で綱を引き合う大綱曳(ひ)きなどユニークな祭りが有名だ。本土から離れた島嶼(とうしょ)地域という特性上、独自色の強い祭りも多く、現代まで継承されてきた。

7日、宮古島市で行われた「サティパロウ」と呼ばれる祭りもその一つだ。地域の厄を払うための祭りで、男の子が木彫りの仮面で顔を隠し、来訪神「パーントゥ」として、植物を身に纏(まと)った女性や子供の集団を引き連れ、太鼓やホラ貝の音色に合わせ「ホーイホイ」と声を出しながら集落内を練り歩くというものだ。

パーントゥが活躍する祭りはもう一つ存在する。秋に同市で行われる「パーントゥ・プナハ」だ。こちらは3人の青年が全身に泥を纏い町中を駆け巡り、人を見つけると勢いよく泥を塗りつけるというもので、島民の無病息災を祈願する厄払いの儀式だという。サティパロウとパーントゥ・プナハはともに国の重要無形民俗文化財に指定されており、これらを目当てに観光に訪れる人も少なくない。

ただ、中には観光客はおろか、島民以外は参加することすらできない「秘祭」も存在しているという。有名なのは八重山諸島の新城島で行われる豊年祭だ。部外者は参加できない上に、録音や写真・映像撮影は禁止で、内容の口外も禁止という徹底ぶりのため、詳細は公には明らかになっていない。

これが逆に謎を呼び、インターネット上などでは真偽不明の噂(うわさ)や臆測が「都市伝説」として飛び交っている。ただ、本来祭りは地域の信仰に基づく神聖なもので、島民たちが伝承を重んじ徹底的に秘密を守り抜いてきたのであれば、彼らのルールを尊重すべきだろう。

(K)

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