【上昇気流】(2024年2月10日)

人の話を遮る司会者を時に見掛ける。深夜の討論番組「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日)で司会を務める田原総一朗氏は、こうしたケースが多い。そんなこともあって、最近はその番組を見なくなった。番組そのものも元気がなくなった。

他人の発言を遮って別の出演者に回すわけではなく、自身がしゃべりだすことが多い。長々と発言する出演者がいれば、発言を遮った方が適切だ。そういう局面は時にあり得ることだからだ。

だが、「この出演者は面白いことを言っている……」とテレビを見ながら思っているときの発言遮断は興冷めだ。「またか……」の気持ちになって「タダで見ているんだから仕方がないか」と、妙に納得したりもする。

「結局、自分がしゃべりたかっただけじゃないか?」と思うことが多かった。司会者が討論を仕切る立場であるのは当然だ。

よくよく考えてみれば、司会者が他人の発言を封じるのは、番組を成立させている自身の権力を示したいからだろう。司会者以外の出演者がそんなことをすれば、司会者自身が制止するはず。司会者の権力はそれほど大きい。その権限の大きさは分からないものでもない。こうした権限を示すために、他人の発言を封じたくなる気持ちも分からないわけではない。「保身」は人間の常だ。

ただ、その回数があまりに多過ぎてしまうと「タダだから仕方がない」では済まなくなってくる。物事の度合いや兼ね合いはなかなか難しい。

spot_img