きょうは節分。思い浮かぶのは、豆まきである。幼い頃は、家族総出で豆をまいた記憶があるが、いつからかやらなくなった。成長して家族で行うことを恥ずかしく思っていたのかもしれない。
最近では、スーパーやコンビニで見掛ける積み重ねられた豆の袋や恵方巻きなどから、ふるさとのささやかな家族行事を思い出す。豆といっても、煎った豆はその後の掃除が大変なので、落花生などで代用していたこともあった。
現在、家族そろって豆まきをするのはまれだろう。ただ恵方巻きならば手軽なので、こちらの方が主流になりつつある。問題は、豪華になっていくことや賞味期限が短いので売れ残りが出ること。まだ食べられるのに廃棄処分されることも多い。
節分は「悪魔を追い払い、新しい春を迎えるという心から追儺が行われ」(稲畑汀子編『ホトトギス新歳時記』)る行事。悪魔を追い出すことで、家に福を迎える意味がある。それで「福は内、鬼は外」と唱えて豆まきをする。
豆まきでよく知られているのは、千葉県成田山新勝寺の節分会。タレントや大相撲の力士が参加し、大勢の前でパフォーマンスをすることで話題を呼んでいる。
今年は、NHK大河ドラマ「光る君へ」の主役・紫式部を演じる吉高由里子さん、力士では大関の豊昇龍関や小結の髙安関らが参加する予定だ。年初に起こった能登半島地震や羽田空港での航空機事故の厄を吹き払うような豆まきになることを祈りたい。