
沖縄の定番料理に欠かせない食材として有名なのが、ポークランチョンミート(沖縄では「ポーク」と呼ばれる)だ。ソーセージの中身となる加工肉を缶詰に詰め込んだもので、チャンプルー(炒め物)やポーク玉子おにぎりなどの料理で抜群の存在感を放っている。
沖縄では米国・ホーメルフーズ社の「スパム」や、デンマーク・チューリップ社の「チューリップ」などが有名で、レストランや定食屋などで見掛けない日はないほど浸透している。
輸入品であるため、本土の人からすると少し高価な食材と思われているポークだが、なんと沖縄では本土の約半値で店頭に並んでいる。その理由は沖縄と米国との関係に理由がある。ポークがよく食べられる沖縄では、業者が特別に米国の工場から直輸入で安くポークを仕入れることで値段を抑えているのだそう。
もともと戦時中の米国で保存食として開発されたポークは米兵たちに大人気の食材として不動の地位を獲得した。それは終戦後も変わらず、米軍からの配給で多くの県民に定着し始め、その後、市場で大量に出回るようになった。これは、米国と同盟関係にあり、多くの米軍基地を有する韓国でも同様で、安価な価格のポークが広く国民に親しまれている。
このように沖縄には米国由来の食材がソウルフードとして根付いている事例が多い。ハンバーガーショップが多かったり、ステーキ店が多いのも同様の理由からだ。
現在沖縄のスーパーの缶詰コーナーには、オリジナルの風味が付いたものや、減塩のもの、期間限定の品など、多種多様な種類のポーク缶が並ぶ。沖縄を訪れる際は、お手頃でおいしいポーク缶をお土産にしてみてはいかが。
(K)