トップコラム十三回忌の法要は珍しい?

十三回忌の法要は珍しい?

小中学校の同級生の十三回忌法要に参列した。お墓がある埼玉県内の霊園施設に集まったのは、施主である奥さん、子供3人とその家族、それに筆者を含めた同級生6人。奥さんも同じ学校の同級生。そこに、曹洞宗のお坊さんに来ていただいてお経を上げてもらった。

読経前、お坊さんはこんなことを言った。「最近は十三回忌を執り行われることが少なくなった。故人は大変喜んでいる」。かつて法要は三十三回忌までと言われたが、今では田舎でさえ、せいぜい七回忌までと聞いていたので、核家族が多い首都園では当然のことなのかもしれない。

単身赴任の首都圏から家のある中国地方に帰り、町を車で走っていた時、大きな仕出し屋が閉店したことを知った。仕事で事業所回りをしている妻によると、法要が減った上、家族葬が増えて、仕出し屋だけでなくどこの葬儀社も経営が苦しくなっているというのだ。

超高齢社会の到来を見込んで、セレモニーホールが増えたが、小規模の葬儀が多くなって、当てが外れた格好。それが葬儀関連ビジネスにも波及しているというわけだ。

これまでは冠婚葬祭で多くの人が集まった。だから、地方では、仕出し屋、酒屋などそれが大きな収入源になっている業種が多い。最近は、若者の数が減る上、結婚式を挙げないカップルが増えているから、こちらの影響もある。

法要の後、参列者が和食の店に移動し会食した。故人の子供3人はそれぞれ結婚し、小さなお子さんたちがいるので、にぎやかだった。最近は、生涯独身を通す人が少なくなく、3人子供がいれば、1人くらいは未婚者がいても不思議でない時代だ。

50代で亡くなった同級生は孫の顔を見ることができなかったのは残念だったろう。それでも自分の血がしっかり受け継がれているのを知って、あの世で喜んでいることだろう。

(森)

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