
イスラエル南部で起きたテロ組織ハマスによる襲撃から100日目となった14日、いまだ解放されず安否不明な人質の家族や既に解放された市民を中心に、残る人質の解放のためのデモ集会がイスラエル各地で行われた。
外国でプレイするスポーツ選手もそれは例外ではなく、選手たちはさまざまに象徴的な形で連帯を示した。
トルコのサッカーリーグで活躍しているイスラエル人のサギブ・イェヘズケル選手は14日、ゴールを決めた後にリストバンドに書かれた「100日」の文字を見せ人質解放に連帯を示した。しかし、彼のこの行為が「憎悪と敵意を扇動した」として逮捕され、出場停止処分を受ける羽目になった。
オランダで開催された水球の国際大会に出場していたイスラエルの女子チームは、人質解放を願うシンボルである認識票と黄色い腕章を外すよう注意を受けた。ギリシャ人のコーチだけは、首に黄色のリボンを巻くことを許された。一方、男性チームは許可されて、キャプテンが認識票を握り締めステージに上った。
人質の解放を願うのはイスラエル国民にとって自然なことだと思うが、他国の目はそう捉えないようだ。人質解放を願うことがすなわち、ガザにおける軍事作戦に賛同しているとは限らない。誰もが国民の無事と平安を願う。誰かがパレスチナ人の無事を祈ったところで、それを咎(とが)める人はイスラエルにはいない。
憂うべきは、人間を人間ではないもののようにつくり変えてしまう思想や教育ではないかと思う。(M)