トップコラム【上昇気流】(2024年1月8日)

【上昇気流】(2024年1月8日)

滑走路上で炎上する日本航空機=1月2日午後7時、東京・羽田空港

東京・羽田空港で日本航空と海上保安庁の航空機が衝突した事故は「人的要因」(ヒューマン・ファクター)が絡んでいることは間違いなかろう。管制官や、日航、海保の機長の役割が重要だ。

当の管制官が出した指示、それに対する機長らの反応はどうだったか。捜査では互いの認識に矛盾のあることが分かっている。例えば海保の機長は滑走路に出る許可を得たと話しているが、管制官は言っていないと。

「伝えた」と言っても、実際は伝えたと思っただけ、あるいは受けた方も受け取り方に問題があったということかもしれない。どこの職場でも「言った」「いや、聞いてない」に端を発したトラブルはある。当事者らの心身の疲労度が高い時はなおさらそうだ。

航空機の運航では、機体設計者や運航会社の経営者をはじめ、運航現場の整備士、管制官、パイロットら全ての次元で人間の問題が絡む。そのため、各次元でハード面の安全システムの高度化は急速に進んできた。しかし、あらゆるミスをなくすのは難しい。また、ハード面が進めば事故の思わぬ人的要因も生まれる。その繰り返しだ。

人間は精神と肉体の統一体なので、精神と肉体を切り離しての考察はうまくいかない。今日、医学でも精神身体医学が盛んになっていて、心と身体を統一して考え、生活の質を重視する総合的な医療が進んでいる。

事故の原因解明と再発防止の方策策定には、人間のメンタルの特質究明がぜひ必要だ。

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