
コロナ禍が明け、観光もほぼ完全に復活したフィリピンで、外国人を狙ったぼったくり空港タクシーが増加している。
運輸省はこのほど、マニラ首都圏のニノイ・アキノ国際空港で、別のターミナルに移動する台湾人観光客に2万ペソ(約5万1000円)という法外な運賃を要求したタクシー運転手を特定し、運行会社の営業許可を停止したと発表した。
SNSで拡散された動画には、運転手が観光省のロゴが印刷されたあたかも公式のような料金表を提示する様子が記録されていた。料金表には隣のターミナルに向かうだけで1万ペソ以上の料金が記載されており、台湾人観光客は2人で2万ペソを要求されが、交渉の末、5000ペソ(約1万2000円)を支払ったという。
このような手口はコロナ禍前にも横行していたが、インフレを反映してか航空料金に匹敵するような金額にまで爆上がりしているのに驚いた。このような法外な金額でも飛行機に乗り遅れることを恐れて、つい支払ってしまう外国人がいるということだろう。
いくら政府が観光キャンペーンでイメージ戦略に打って出ても、国の玄関口でこんな体験をしてしまった観光客は二度と戻ってこないだろう。
海外からの観光客がストレスを感じずに空港から「脱出」できるようになるには、まだまだ時間がかかりそうだ。
(F)