【上昇気流】(2023年12月29日)

クリスマスツリー

昨年9月即位したチャールズ英国王の2度目のクリスマスメッセージが放送された。クリスマスの午後3時に国王がテレビやラジオを通し国民に語り掛けるのは、曽祖父ジョージ5世に遡る恒例行事。

エリザベス女王の遺徳を偲(しの)ぶことに力が入れられた昨年と違い、今年はより独自色が出てきたようだ。国王は皇太子時代から、しばしば政治・社会問題で率直な発言を行った。「君臨すれども統治せず」の立憲君主の伝統に反すると物議を醸すこともあった。

今年3月、即位後初の外遊となったドイツでの晩餐(ばんさん)会で「私たちはウクライナと共に立ち、いわれのない侵略から自由と主権を守る」とロシアによる侵攻を強く非難した。英国王としては異例の発言だ。

メッセージでは「世界でますます悲劇的な紛争が起きている」いま、宗教間で共有する「普遍的価値」の重要性を強調。「『己の欲する所を人に施せ』というイエスの言葉は、かつてないほど重要に思える」と述べた。

環境問題でも積極的に発言しており、アラブ首長国連邦のドバイで開かれた国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)では開幕演説を行った。最近の関心の高まりに「感動している」と述べた。

メッセージで注目したいのは、背景に置かれたクリスマスツリーだ。根っこから掘り出した“生きた”ツリーで、装飾も松ぼっくりや乾燥オレンジなど自然素材を使用したものという。そんな演出にも国王の思いが込められている。

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