【上昇気流】(2023年12月27日)

太陽

クリスマスが過ぎると、年の暮れが間近に迫り、年齢を重ねる実感が湧く。地球号に乗って太陽の周りを1周してきたわけである。

陸上競技の1万㍍走であればトラック25周でゴールだが、人はいったい太陽を何周、回るのか。人それぞれだが、何十周も回ってくれば、もはや回数は問題外のように思う。

何せ地球は太陽の周りを46億回、回ってきた。その地球史を1年に見立てれば、人の世は次なる年の数分前に始まり、キリスト誕生は十数秒前。私の一生は1秒前にもならない。アッと言う間である。それを哲学者は「永遠の今」と呼ぶ。

太陽から地球までの距離は1億5000万㌔。これを1天文単位という。太陽系の端までは10万天文単位。太陽系から銀河系の中心までは18億天文単位(3万光年)に達する。一説によれば、銀河系には2500億個の太陽系があり、そんな銀河系が宇宙には数十億個ある。「無限の此処」に人はいるのである。

18世紀のフランスの天文学者ラカーユは、そんな天体の魅力に取りつかれた。南天の1万個以上の恒星の位置を基に月や金星、火星などを精密に観測し、羅針盤座という南天の星座を定めた。ラカーユのように人々は星空を見詰め続け、それを羅針盤にして陸路を進み、海も渡った。

永遠の今、無限の此処にあっても人には羅針盤が必要である。古来、それを良心と言った。歳末には心の年輪を刻んだかも振り返りたい。新たな周回に向かうために。

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