
年の末になると、未来予測の本や雑誌が書店に並ぶ。2024年は予想以上に激動の年になりそうだ。年明け1月に台湾総統選、3月露大統領選、7~8月パリ五輪、11月米大統領選と大きな行事が続く。結果次第で世界の情勢が大きく動く年になるという予想だ。
一方、日本の政治は年末、自民党の政治資金問題で大揺れ。特捜の捜査次第でどうなるのか、先が見通せない状況だ。
また人手不足が一段と進み、人工知能(AI)の活用が日常生活にまで広がっていくと予測される。生成AIの広がりに期待する半面、想像を超えた世界に不安感が増す。一方、旅行業界は訪日客が史上最多との明るい見通し。オーバーツーリズムで迷惑を被る住民にとっては、明るい話題とも言い難い。
気になる人口動向については今年8月、国立社会保障・人口問題研究所が衝撃の数値を発表した。改めて同所の令和5年人口推計年表を眺めてみると、人口構成の変化は衝撃的だ。
2024年、100歳以上が10万人超、27年、高齢者人口割合が30%、31年、総人口の平均年齢が50歳超。そして43年、高齢者人口がピークを迎え、56年総人口が1億人を下回る。
高齢化推計は5年前とほぼ変わらないが、少子化推計は大きく外れた。22年、出生数80万人割れは前回推計では33年である。11年のズレが生じたことにより、44年に18歳人口が80万人を下回る。こちらも8年早まった。政府が大規模な少子化対策を打っても、人口動向はほぼ予測通りに進む。
今後、18歳人口が4割も減っていけば、社会の産業構造、人の暮らしや働き方、文化に至るまで、今とは社会全体が大きく、早い速度で変わっていく。激動の時代、若い世代には予測不能な変化に対応できる胆力が必要だろう。そして人口減少に伴う社会変化をできるだけポジティブに捉え、次世代に負の遺産を残さないようにしたい。
(光)