トップコラム【東風西風】懐石料理を嫌ったインド人記者

【東風西風】懐石料理を嫌ったインド人記者

懐石料理

日本政府観光局(JNTO)が外国人ジャーナリストを招待し、リポートを書いてもらうために観光地を案内する。この企画に応じて1週間、鳥取県の旅に出たのはインド人ジャーナリストのパーラヴィ・アイヤールさん。

著書『日本でわたしも考えた』(笠井亮平訳、白水社)の中に、その体験が紹介されている。旅館では、何品もの料理が宝石のように輝いた懐石料理が出される。

さまざまな国で仕事をしてきたパーラヴィさんは、食事は「そこそこ冒険をするタイプ」だが、食材そのものを楽しむよりは、香辛料やソースに浸した料理の方が好み。

日本で一番好きになった料理はラーメンで、次が餃子(ぎょうざ)。和食は興味を持てる料理ではなく、旅館では料理の解説に感嘆しつつ、心に秘密を隠していた。つまり懐石料理は好きではなかったのだ。

マナーや作法が冷たすぎて、落ち着けなかった。毎日、かなりの量を食べることになり、消化にも悪い。ガイドに提案した。コース料理をやめにして、アラカルトでオーダーすることはできませんか、と。主催者は拒否するが、アラカルトで追加注文するのはよいと提案された。

パーラヴィさんの結論はこうだ。日本には、あらかじめ決められた非効率で、無駄の多い計画に何が何でもしがみ付くという欠点がある。そのために究極の目的である、好意的な記事を書いてもらう機会を逃してしまった、と。

(岳)

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