トップコラム【上昇気流】(2023年12月22日)

【上昇気流】(2023年12月22日)

縄文式土器が出土した公園

アフリカで誕生した人類はどのように世界に広まり、日本人はどう形成されたのか――。古代DNAの解析で、その謎が徐々に解明されつつある。この分野の先駆者でネアンデルタール人のDNAなどを解読したスバンテ・ペーボ氏には、昨年ノーベル生理学・医学賞が贈られている。

NHK・BSの新番組「フロンティア」で放送された「日本人とは何者なのか」は、古代DNA解析から日本人の先祖である縄文人のルーツを求め、現代日本人の形成に迫っている。

縄文人は、他のアジア諸民族のDNAと懸け離れた特徴を持つ謎の人々だ。その特徴と極めて近い古代DNAを持つ人骨がラオスの遺跡で見つかった。タイやラオスに2万数千年前から4000年前にかけて住んでいた「ホアビニアン」と呼ばれる狩猟採集民という。

番組では、タイ南部密林の少数民族でホアビニアンのDNAを色濃く受け継ぐ「マニ族」を訪ね、その狩猟生活を紹介している。

現代日本人に繋(つな)がる弥生人は、縄文人と北東アジアからの移民が混血して形成された。しかし金沢市の遺跡で発掘された古墳時代の人骨からは、縄文、北東アジアだけでなく、中国の黄河流域など東アジアのより広い地域の遺伝子情報が発見されたという。

古墳時代以降も東アジア各地から人の流入があった。そうして形成されたのが現代人ということになるが、これからは欧米やアフリカ系のDNAも交じり、さらに多様性を増していきそうだ。

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