【上昇気流】(2023年12月21日)

クリスマス

人が学習していく過程の中で、最も深く情操が育まれるのは、保育園や幼稚園の時期ではないのだろうか。今、その子供たちが、クリスマスに備えて芝居や歌の練習をしている。

クリスマス音楽には多くの曲があり、幼児たちが親しめる曲も少なくない。その歴史は讃美(さんび)歌の歴史で、中世にはグレゴリオ聖歌があったが、歴史が変わるのは16世紀の宗教改革によってだ。

その中心人物として知られるのがマルティン・ルター。彼はドイツのアイゼナハはじめ音楽の町々で成長し、エアフルト大学では音楽理論と実践の徹底した教育を受けるなど素養があった。

ルター自身、いくつかの楽器を演奏し、よく鍛錬されたテノール歌手でもあった。彼の家では晩餐(ばんさん)の後、音楽の集いがよく持たれたそうだが、特にお気に入りの音楽家はジョスカン・デ・プレだったという。その曲は多声音楽で、対位法の妙技を示したものだった。

だが、教師であり神学者だったルターの関心は、人々を能動的に礼拝に参加させることにあった。そのために音楽を神の福音に近づける手段として、言葉と同様のものと考えた。詩篇46篇に基づく讃美歌「神はわがやぐら」は、ルターの作った代表的な曲だ。

P・H・ラング著『西洋文化と音楽』(音楽之友社)によれば、ルターは「通俗的な芸術世俗化運動は必然的に衰えてしまう」ことをよく知っていた。音楽は神の言葉という思想は、後にJ・S・バッハによって具現化される。

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