【政界一喝】安倍派報道の屈辱に負けるな

岸田政権の引き続く支持率低下は、政治と国民の乖離を象徴するだけでなく、外交上でも国益を失い続けている。

去る9月に行った内閣改造で岸田文雄首相は、自身による首脳外交を展望したが、国民不支持の外交など、当該相手国からも軽く見られがちだ。

そこにきて、12月13日の臨時国会閉幕前から、自民党の多額の政治資金不記載問題がメディアで躍っている。特にこれを連日、 「安倍派の裏金」とメディアが報道することは、国内だけでなく国際社会にも少なからぬ衝撃を与えている。

昨年来の海外での日本の印象はおおよそ次の通りだ。

安倍晋三元首相を暗殺で失い、そのテロ犯が恨みを抱いた宗教法人をむしろ政府が解散に追い込むが、その岸田政権は支持率が続落してついに最低支持率を記録する中で、最大派閥の安倍派が裏金問題で崩壊に追い込まれ、同派4人の閣僚と5人の副大臣が全員辞任した。日本の政治は一体どうなっているのだ。加えてこの間、円は異常に安い、日本はどうなっているのか。

 安倍元首相が掲げた「戦後レジームからの脱却」政策で、国内的には日本の国の伝統、誇り、家庭の価値観を再認識することができた。対外的には日本主導の安全保障戦略、経済面での国際ルールづくりも進められた。従来のGDP上位での経済力にとどまらず、日本の存在感は質的にも高められていたのだ。だからこそ昨年の安倍氏の無念の国葬儀に駆け付けた海外からの参列者の層と数には目を見張るものがあった。

多額の政治資金不記載を 「安倍派の裏金」と書かれる日本政治は、これが国際社会にいかなる国の損失をもたらしているか、とのインテリジェンス上の酷評も受けなければならない。世界の最高権力者であるバイデン米大統領は来秋、再選を目指す。安倍元総理や安倍派の政策とトランプ元大統領による共和党政策の親和性を考えれば、安倍派弱体化や解体にはこれを肯定する側面も見出す。

悲しいかなロシアのウクライナ侵攻は1年9か月を超えて継続し、これに中東の戦乱が今年11月から加わった。米国による3正面対応はもっぱら不可能だと言われる。来年1月13日には台湾の総統選と立法院選も控えるところ、覇権志向の中国の習近平政権はますます台湾統一に向け戦略的に資源を投入するだろう。

「台湾有事は日本有事」と日本の安全保障上、核心的な警告を発していた安倍元首相を昨年失った日本が、今や安倍派をも辱めている。岸田首相は、自己の危機管理能力の欠如、また保守の政治勢力を貶め、政治に対する国民の信頼を失った責任を痛感すべきだ。

安倍派の99人は無論、政治資金不記載問題を厳に戒め、改めなければならない。その上で、安倍元首相と安倍派の名誉にかけて、その遺志を受け継ぐ有志らによって再起し、日本国のために立ち上がらなければならない。政界全体も、国民のための政治という原点を見つめ直すべきだ。

(駿馬)

spot_img
Google Translate »