【上昇気流】(2023年12月11日)

公開された高速実験炉「常陽」の原子炉格納容器内部=6月22日午前、茨城県大洗町

次世代原子炉「高速炉」の開発計画で日本原子力研究開発機構(原子力機構)と三菱重工業などが、米原子力ベンチャーのテラパワーと連携強化、協力することで合意した。米国は一時、原子力発電開発で足踏みしていたが今日、核融合を含む次世代原子炉の技術開発に意欲的だ。

政府は、高速炉の実用化に向けた「実証炉」について、2040年代に運転を開始する目標を掲げている。24年には実証炉の設計が始まることから、開発が先行するテラパワーから技術やノウハウの支援を受ける。

高速炉はエネルギーの高い高速中性子を使う原子炉。使用済み燃料を再処理し再び燃料として使うことで資源の有効利用が可能となり、わが国が目標としている「核燃料サイクル」が実現される。

以前、原子力委員会委員長だった藤家洋一氏に高速増殖炉の開発が停滞している理由を聞いた時、「軽水炉より能力は非常に高いが、それだけに独特の難しさがあり、独自の技術体系を作っていかなければならない」と、あとひと踏ん張りの必要を強調していた。ぜひ成功させたい。

原発の燃料であるウランの可採年数は石油とほぼ同じで、これまでの軽水炉による利用では限界がある。先々を見据えた技術開発が大事だ。

一方、原子力機構は高速実験炉「常陽」の運転再開時期を24年度末から26年度半ばに変更した。人材不足や資材高騰の影響によって遅れが見込まれたという。次世代を担う原子力人材の育成も重要だ。

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