【上昇気流】(2023年12月5日)

砂浜に打ち上げられたペットボトルのゴミ

エマニュエル駐日米大使と尹徳敏駐日韓国大使がそろって、長崎県対馬の海岸でごみ拾いをした。朝鮮半島と日本列島の中間にあり、日本海と東シナ海の境界に位置する対馬には、年間3万~4万立方㍍の海洋ごみが漂着する。その現状を視察し、対策をアピールするのが狙いだ。

海洋ごみの大半を占めるプラスチックは、自然に分解されることがないため長く滞留する。さらに波や日光にさらされ破片となり、5㍉以下のマイクロプラスチックが魚の体内に取り込まれるなどして海洋の生態系に深刻な影響を及ぼすことが懸念されている。

対馬に漂着した漁具やペットボトルには、ハングル文字が書かれたものが少なくない。能登半島の海岸でも、ハングルの表記された漁業用の大きな浮きが流れ着いているのを見たりする。

海流の関係でそうなるのだが、迷惑な話だ。しかし、米ハワイなどには日本から多くのごみが流れ着いていることを忘れてはならないだろう。

太平洋では、ハワイと米カリフォルニアの間に大量のプラスチックごみが浮かび「太平洋ごみベルト」と呼ばれている。その面積は160万平方㌔㍍と日本の国土面積の約4倍に達する。米本土だけでなく、日本や中国を含むアジアからのごみが少なくない。

ハワイの人々にしてみれば、他の国や地域からのごみが自分たちの美しい海岸を汚しているのだから、やりきれないだろう。対馬を思う一方で、ハワイを忘れてはならない。

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