【上昇気流】(2023年12月2日)

Suica 改札

だいぶ前の記憶。「交通系カードは使えますか?」と店員に聞いたところ「大丈夫です」との回答だった。「じゃ、それでお願いします」と言うと、若い男性の店員が不思議そうな顔をしている。雰囲気からすると「ノー」ということらしい。

「大丈夫」が、どうやら否定の言葉のようだと気付くまでに少しばかり時間がかかった。どんな店か忘れたけれども、現金で支払った。。

大丈夫は極めて抑制的な言い方ではあるが、意思は明確だ。「このように否定する言い方が、いつの間にか生まれていたんだ!」と思うしかなかった。10年近く前に買って今でも使っている電子辞書にも、大丈夫は「本来は不適切」としながらも掲載されている。

今では不適切どころか普通に用いられている。気流子も特に違和感なく使用している。大丈夫と言った方が明確に通じるからだ。もちろん辞書には、大丈夫が「間違いない」の意味でもしっかり載っている。

もともと言葉は恣意(しい)的なものらしい。記号にすぎないのだから、根拠も必然性もない。語源を探ったとしても、明確な答えは見つからない。「別の単語と区別できればよい」というように使われている。

大丈夫という言葉が今後、しっかり定着していくかどうかは全く分からない。辞書といえども、死語をいつまでも収録しているわけではない。死語はそれなりの扱いを受けるしかない。となれば、大丈夫も20年後に辞書の中で生き残っているかどうかは微妙だ。

spot_img