記録的猛暑で体感 気候変動の影響 ブラジルから

「熱」――。今年のブラジルを漢字1文字で示せと問われたら、間違いなくこの漢字を推す。とにかく暑い。サンパウロ州の隣に位置するミナスジェライス州の街では、ブラジル史上最高の気温44・8度を記録するなど、3000近くの自治体が熱波の影響を受けた。

今年7月以降、日本から伝わってくる「記録的猛暑」のニュースを聞きながら、どこか他人事のように思っていた。だが、南米で当事者となってみると、「今年の夏は異常気象」という気象庁の言葉を実感した。今年ほど、ブラジルの雨季の始まりを待ち遠しく思った年はない。熱中症にならないように、家人にも水分補給などを徹底させている。

2021年の話になるが、ブラジルでは「過去92年で最悪の干ばつ」が発生し、総電力の60%以上を水力発電に頼るブラジルは、深刻な電力不足に陥った。南部や中西部のパンタナール湿原では、ブラジル史上初の砂嵐まで発生し、気象問題の専門家が「気候変動の始まり」を指摘した。

ちょうど、パンタナールを訪問していた筆者は、滞在先のホテルで砂嵐を体験した。昼が夜のようになり、街路樹が暴風でなぎ倒される様子を目の当たりにして、「気候変動」という言葉の重みを体感した。

砂嵐の体験から2年、今度は記録的な熱波の襲来だ。エルニーニョ現象の影響もあり、この「暑い夏」は今後数年続くとも言われている。今年のような熱波が続くのであれば、生活スタイルの変更などを強いられるだけでなく、途上国では電力事情にも影響が出てくるだろう。アマゾン熱帯雨林の消失などによる気候変動が個人の生活にどのように関わってくるか、身をもって体験している今年の夏だ。(S)

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