【上昇気流】(2023年11月25日)

30歳の三島由紀夫(Wikipediaより)

山梨県の忍野八海(おしのはっかい)へ行ってきた。富士山は一瞬雲がかかったり晴れて顔をのぞかせたりするなど、表情豊かだった。山の天候はすぐ変化するという登山に詳しい知人の話を思い出した。

この頃は、急に暖かくなったり寒くなったりと天候が不安定。衣服の選択に迷うことが多い。そう言えば、1970(昭和45)年のきょうは「金閣寺」「潮騒」などの作品で知られる作家の三島由紀夫が自決した日。命日は「憂国忌」と呼ばれる。

事件の一報を聞いたのは、東北本線の汽車の中だった。気流子は予備校生で、汽車で通っていた時期だった。通勤通学の時間帯ではなかったが混んでいて、立ったままぼんやりとしていた。すると、近くの会社員らしい数人がラジオの音を大きくして騒いでいた。

アナウンサーが大声で何かを言っていたが、よく聞き取れない。その後分かったのは、三島が自衛隊の施設で割腹自殺をしたことだった。あまりにも突然のことで、しばらく呆然(ぼうぜん)とした。周囲の人たちも、どう受け止めていいのか分からず騒然としていたのを思い出す。

あれから50年以上の歳月が過ぎて、事件そのものの衝撃は薄れたものの、三島が投げ掛けた問題はいまだ尾を引いていると言っていい。

文学的な事件と解釈する論も見られたが、国を憂いてのやむにやまれぬ心情から命を懸けた行動を起こしたことは間違いない。現在の国際情勢、国内の政治や社会が混乱する中、改めてこの事件の意味を考えたい。

spot_img
Google Translate »