イスラエルでは、紛争のあおりが、農業にも及んでいる。テロ攻撃にあった南部のキブツ周辺の農園はもちろんのこと、北部でも外国人労働者が消えた。収穫の時期にもかかわらず人手不足で困っているという。
あるスーパーマーケットは、従業員を派遣して野菜の収穫を手伝った。そうでもしないと、店頭に並ぶはずの野菜が回ってこないからだ。イスラエルへ嫁に来た知り合いの日本人も、農園の収穫を手伝うボランティアに行ってきたという。
そんな中、米国からカウボーイが農園のサポートのためにやって来た。アーカンソー州やモンタナ州から来た5人は、いかにもそれらしいいでたちでベングリオン空港に降り立った。
世界中のキリスト教徒が呼び掛け、イスラエルの農園を助けるために180万㌦の支援金を集め貢献した。彼らは、ユダヤ人ではないが、志願して自費でイスラエルに来たという。
「イスラエル・ガイズ」と名乗る組織に所属している。20年前に設立され、キリスト教徒の農家を集めイスラエルのユダヤ人を助けてきた団体だ。
イスラエルを故郷のように感じているキリスト教徒は、長年にわたり、農家、酪農家を助け、また一部の入植地の警備や安全確保にも協力してきた。ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地には30カ国から3000人以上のキリスト教徒が受け入れられている。
それぞれ別の農園に配属されたカウボーイたちは、日々収穫に汗を流している。(M)