トップコラム風邪で薬4種処方は多過ぎ?

風邪で薬4種処方は多過ぎ?

喉が痛く体が少しだるい。「風邪引いたかな」と思ったので、先週、かかりつけのクリニックを受診した。症状は4、5日前からあった。市販の「葛根湯」を飲んだが、改善しない。風邪ぐらいで医者にかかるのは性に合わない。しかし、仕事があるし、人と会う約束もあるので、こじらせたくなかった。

「一番気になるのはたんが出ること」と説明すると、先生は喉をチェックし、胸に聴診器を当てた。そして「では、薬を処方しましょう」と、診察は数分で終わり。かかりつけ医はまだ若い(男性で40歳前後)が患者の話に耳を傾けてくれて、好感の持てるいい先生だ。聴診器も当てずに、パソコンのモニターばかりのぞき込んでいる医師が少なくないと聞くが、そんなことはない。

さて、処方箋を受け取り、薬局に行ってビックリ。薬剤師が持ってきた薬は鎮痛剤、咽喉頭炎を抑える薬、鼻詰まりを緩和する薬、抗菌作用のある薬で5日分。風邪ぐらいで、4種類とは多過ぎだろう。

あれ、待てよ。新型コロナやインフルエンザ流行もあり、今、医薬品の供給不足が深刻だという。特に足りないのは解熱鎮痛剤、抗生物質、たん切りの薬、咳(せき)止めだ。私の場合、咳止めは出なかったが、あとは重なっている。「これじゃあ、不足するわけだ」と納得。

それに私は、持病の糖尿病とコレステロールの薬を、合わせて3種類服用している。それに以前手術した副鼻腔炎の悪化を防ぐため、毎日ではないが、症状が出る時は2種類飲む。全部合わせると、9種類。これじゃあ、薬だけでおなかが膨らんでしまう。

薬の安易な服用については考えさせられるが、4種類の薬を飲んだおかげで、翌日には症状が改善した。かかりつけの先生は標準的で適切な処方を行っただけだろう。むしろ問題は、風邪を早く治すために、薬の服用を強いる効率優先の社会なのではないか、と思う。

(森)

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