【上昇気流】(2023年11月17日)

旧日本銀行広島支店

第2次大戦末期の1944年、ナチス・ドイツ占領下のポーランドの首都ワルシャワで軍と人民が武装蜂起するが鎮圧される。その後、ワルシャワは徹底的に破壊され、ドイツ敗北後はソ連による自由主義者の弾圧が始まる。

この抵抗運動を振り返り、今日的な意義を問う展覧会「ワルシャワ。灰の中から蘇る不死鳥」が、広島市中区の旧日本銀行広島支店で開かれている。オープニングでは、パベウ・ミレフスキ駐日ポーランド大使が、ワルシャワも広島も共に瓦礫(がれき)の中から蘇った都市であると強調した。

旧日本銀行広島支店は36年に建てられた古典様式の建物。45年8月6日に投下された原爆の爆心地から380㍍の近距離にあり、爆風によって甚大な被害を受けたが、堅牢(けんろう)な建物であったため倒壊を免れた。広島市が所有する被爆建物で、現在は芸術・文化活動の発表の場として使われている。

展示ホールは修復されたかつての営業室で、1階から2階が吹き抜けになっており、天井にはガラスの天窓が嵌(は)め込まれている。ギリシャ風の柱の装飾など、落ち着いた格調高い空間だ。

建物内では職員18人が被爆し8人が亡くなっている。出勤途上に被爆した職員も多く、その大半は10代後半から20代前半の女性だったという。

それでも地下の金庫の無事が確かめられると、8日から業務を再開。破壊された天窓から雨が降る時は、傘を差しながら業務を続けた。この献身が広島を瓦礫の中から蘇らせた。

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