【上昇気流】(2023年11月16日)

神流川丸岩

群馬県藤岡市に天台宗の浄法寺がある。神流川の左岸で、山に上りかけた所だ。奈良時代の創建だが最澄ゆかりの山寺で、訪ねたのは晩秋。イチョウの大木があり、地面が見えないほど葉が散り敷いていた。

仏国土のようで、それ以来、寺院や神社でイチョウを見ると、じっくり観察するようになった。東京の武蔵野市には杵築(きづき)大社があり、「千本イチョウ」というのがある。市指定の天然記念物だ。

主幹5本、支幹四十数本から成り、根元の周囲4・2㍍。怪異な姿で、150年以上前に落雷などの原因で地上部分が枯死したが、その後、根際から支幹が生じ、この形状になったという。

驚くべき生命力だ。イチョウが地球上で繁栄したのは中生代のジュラ紀。草食恐竜が食べていたというギンナンや葉を人間も食べているのだ。葉に含まれるテルペンラクトンは記憶力を維持する効果があるそうだ。

ギンナンは栽培種が開発されて、作っている農家がある。これは粒が大きくて、食べ応えがある。このほかにも、いろいろな所で拾ってきて味比べをしてみた。栽培種は若者のごとくで、風味がよかったのは古木。

例えば、粒は小さいが、東京・あきる野市にある広徳寺の巨木の実。熟成された風格があった。太い幹を見上げると高さは5㍍ほどで、支幹が無数に伸びていた。太い幹は何かの原因でそこで折れてしまったのではないのか。イチョウの来歴を振り返ると興味は尽きない。

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