
東京モーターショーから名前を変え、4年ぶりにジャパンモビリティショーが開かれた。各自動車メーカーは次世代の電気自動車(EV)を展示、SUBARUは開発中の空飛ぶ乗り物を披露した。
車体デザインも念入りで、トヨタ自動車の商用バン「ハイエース」のバッテリー式EVの外見は、フロント部分が前方に飛び出したセミボンネット型でグローバル仕様。どれにも最新のEV駆動技術や通信・制御装置が搭載され、日本の高い技術力は活(い)かせそう。
ただEVは電子部品にレアメタルなどが使われ、バッテリーや部品製造のため莫大(ばくだい)な金属原料が要る。その安定供給は今後の大きな課題だ。
また実用化されれば、一定の間隔の充電やメンテナンスに新規の体制整備が必須。脱炭素化の目標はあるが、街を走らせ空を飛ばすには街路、ひいては都市全体の様相を変えなければならないように思う。
産業革命以来、鉱物資源を消費し“堅く、速く、正確で力強い”工業製品作りが進んだ。先端モビリティーはその成果だが、より快適な生活空間は生まれるのか、どうか? そんなことも考えさせられる。
わが国では1980年代以降、産業機械に代わる「柔らかい機械」と言われる新しいロボット研究が行われている。例えば人間と一緒に多様な作業ができるよう設計されたものだが、多数の人々にサービスを提供するまでには至っていない。日本独自のコンセプトであり、こちらも実現が待たれる。