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首里城火災4年で復興祭、課題も

首里城

2019年10月31日の首里城火災から4年が過ぎた。11月3日から5日にかけて「首里城復興祭」(主催=首里城祭実行委員会)が首里城公園を中心に開催された。

本来は首里城祭だったが、21年から復興機運を高めるため、正殿完成まで復興祭として開催されることになった。

初日には、琉球国王が正月に国の繁栄と五穀豊穣(ほうじょう)を願い、城下の円覚寺、天王寺、天界寺を参拝する儀式を再現した「古式行列」が行われた。

国王と王妃をはじめ、当時の役職に合わせた衣装を身にまとった約200人の行列が城内を練り歩く光景はまさに圧巻で、沿道に集まった多くの見物客らはしきりにカメラのシャッターを切っていた。

4日には、「出御(しゅつぎょ)」と呼ばれる儀式が再現され、国王・王妃が奉神門から群衆に姿を現した。ちなみに国王・王妃は県内在住者から4年ぶりに公募され、国王役には読谷村の男性(27)が、王妃役には北中城村の女性(29)がそれぞれ選ばれた。

最終日の5日には、那覇市の中心街・国際通りで、王・王妃らを先頭に、大行列一大絵巻を再現した「琉球王朝絵巻行列」が4年ぶりに開催された。派手な衣装に身を包んだ400人を超える大行列の迫力は、まるで当時にタイムスリップしたかのようだ。

観光で訪れた20代女性は「歴史ある行列が見られてうれしい。首里城の1日も早い復興を願うばかりです」と話した。

焼失した正殿の復元工事は26年の完成を目指して昨年11月から始まり、現在も着々と進められている。

しかし、火災の責任所在が明確にされないままの再建に納得のいかない県民らによる住民訴訟が起こされるなど、課題も残されている。

(K)

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