パレスチナ緊迫で不穏な空気 フランスから

フランスでは、イスラエル情勢が悪化するたびに同国在住のアラブ系住民とユダヤ系住民が衝突する事件が発生する。理由は両者とも欧州最大規模のコミュニティーを抱え、歴史も長い。フランスに住んでいるとアラブ系、ユダヤ系住民は身近な存在だ。

まず、パリなどの大都市には夜遅くまで営業し、日曜日も店を開けている食料品店(アラブ・デュ・コアン)がある。アラブ人が経営する日本のコンビニのような存在で、日曜日に大多数の店が閉まるフランスでは便利な存在だ。

パリ東部バンセンヌの森近くにあるユダヤ系食品店は2015年1月のテロで人質立てこもり事件が起きた惨劇の場所だ。バンセンヌ周辺は富裕層が多くユダヤ人も多い。

フランスのユダヤ人は欧州最大規模の60万人。富裕層を形成し、全国に300校ものユダヤ人学校を持っている。毎朝、毎夕、学校には子供を送迎する高級車が押し寄せる。一方、600万人のアラブ系は学校を持たず、貧困家庭が圧倒的に多い。

ダルマナン内相は、10月7日のハマスのイスラエル攻撃以来、26日までにフランスで「719件の反ユダヤ主義的な行為や事件」が記録されたとし、逮捕者も389人に上る。ネット上では4948件のユダヤ人への脅迫、テロ予告などが確認された。

パレスチナを支援する集会やデモが増加している。当局は基本的に集会やデモを「公共の秩序を害する」として禁止しているものの不穏な空気が漂っている。(A)

spot_img