【上昇気流】(2023年10月28日)

きのうは「読書の日」。この日を起点として、11月9日まで「読書週間」である。「食欲の秋」と並んで「読書の秋」もよく口にする言葉だ。涼しい秋は、本を読むのにふさわしい。

ただ、食欲は人間の基本的な欲求なので変わらないが、読書の方はそうではない。読書人口も減っている。その上、電子書籍などの登場で読書スタイルも変化している。紙の本はベンチやカフェで開いて読むというイメージがある。場所を選ぶ紙の本に対し、スマホなどはどこでも読書が可能だ。

今年で第77回を迎える「読書週間」のスローガンは「私のペースで しおりは進む」。紙の本には途中まで読んだところに挟むしおりが必要なので、そのあたりをうまく表現している。書店で購入するとき、しおりをサービスされるのだが、その多くが出版社の提供で、個性があって面白い。

しおりに格言や名言、豆知識などが記されていて、ちょっとした箸休めにもなる。紙の本の楽しみは、そんな小さい工夫が感じられるところである。

ちなみに手元にあるものを紹介すると、講談社ブルーバックスのしおりには「地球には一日に100トンもの隕石が降り注いでるって知ってた?」という文が書かれている。PHP文庫は「世の中」と題した松下幸之助の言葉、岩波書店は「本の豆知識」。

もちろん、出版社名だけのものもある。読書スタイルは変わってしまったが、「読書の秋」は残しておきたい言葉の一つである。

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