10月10日、台湾(中華民国)は建国記念日を迎えた。これに先立ち2日、「中華民国112年双十国慶節祝賀レセプション」(主催=台北駐日経済文化代表処那覇分処)が那覇市内のホテルで開かれた。
主催者を代表して同分処の王瑞豊処長は「台湾と沖縄は、人的交流を通して親交を深めてきた」として、両者の関係が「双方の経済発展にも大いに寄与している」とあいさつした。
一方で話題は台湾有事に移った。王処長は、中国が台湾進攻を見据えた軍事演習を行っていることを非難。続けて、軍事面以外でも「台湾へのフェイクニュースやサイバー攻撃、経済的威圧が続いている」と強調した。
有事に備えるべく、台湾では国防予算を追加し、避難用シェルターの設置や徴兵の延長などを行っているとし、「ほとんどの(台湾)国民は戦争を望んでいない」としながらも、「ウクライナのように自分を守る意志を絶やしてはいけない」と語った。
会場には玉城デニー知事と両副知事の姿はなく、島尻安伊子衆院議員(自民)と赤嶺昇沖縄県議会議長が来賓としてそれぞれあいさつした。
島尻氏は台湾の避難用シェルターについて「全人口の3倍収容量がある」として、「日本も沖縄も見習わなければならない施策だ」と評価した。
式典を欠席した玉城氏について6日の県議会一般質問で、自民会派の議員らは、知事の中国訪問と比較し「台湾に対する非礼だ」と批判を浴びせた。
この指摘に対して玉城氏は、「今年度中に台湾も訪問したいと思っている」とした上で「(中国と台湾の)バランスはしっかりと考えながら、良好な関係が保てるよう尽力したい」と反論した。
玉城氏が推し進める独自の「地域外交」の偏りが露呈し始めている。
(K)