フィンランドで最近クローズアップされる話題が「ストリートギャング」だ。路上犯罪が大きな社会問題になりつつあり、ここ半年の間にヘルシンキ市内での未成年による路上強盗は110件に上る。
20年前に米国からフィンランドに移住してきた時、米国とは比べものにならないほど安全な国だと感じたが、その安心感は崩れつつある。オルポ首相によれば、路上犯罪の大きな一因は、移民の社会統合政策が機能していないことだという。
ちなみに隣の国のスウェーデンの移民政策は完全に失敗したといわれ、ギャングメンバーは、推定で3万人という。もはや警察だけでは対処できず軍隊も必要とあれば投入すべしという声も上がっている。
フィンランドのメディアは「人種差別」になりかねないということで述べてはいないが、ギャングのほとんどは移民2世といわれ、言葉の問題で学校についていけず、仕事もなかなか見つけられず、社会に溶け込めない。結局、ストリートギャングの仲間に誘われるケースが後を絶たない。
政府はギャング関連の犯罪の罰則強化を考えているが、社会に溶け込むことができなければ、若者たちがストリートギャングになることを防ぐことは難しいだろう。アフリカや中東からの移民・難民を人権重視の欧州連合(EU)が受け入れない方針に転換するのも難しい。結局、隣の国のようになるかもしれない。(Y)