【上昇気流】(2023年10月10日)

ホタテ

中国の日本水産物禁輸で窮地の水産業界を助けようと、さまざまな動きが出ている。政府の支援策の中心は、販路の拡大にある。禁輸はホタテやナマコなどの中国への過度の輸出依存をただす良い機会と捉えるべきだ。

欧州では英仏独で日本産ホタテのPRや試食会が開かれている。ホタテはフランス料理でもよく食材として登場する。ホタテは冷凍しても食材としての魅力を失うところが少ないから、グルメの多い欧州への販路拡大は有望だろう。

一方ナマコは、青森県の漁協など当面、漁を自粛するところも出ている。乾燥ナマコは、中国では「海の黒いダイヤ」とも呼ばれ、高級食材として珍重されているが、国内ではホタテほど需要がないのが悩ましい。

しかし、ナマコの産地として知られる能登半島の七尾湾では、9月に小学生がナマコの放流体験を行った。波の穏やかな七尾湾では柔らかいナマコが育つ。腸の塩辛「このわた」や、生殖巣の塩辛「くちこ」「干しくちこ」など、高級珍味として特産品になっている。

ナマコ本体の方も能登地方ではよく食される。スーパーでも内臓が抜かれ輪切りにされたものが、パックに入って売られている。加工の仕方や食べ方の説明があれば、もっと全国で需要は伸びそうに思われる。

コリコリした食感だけで、あまり栄養がありそうに見えないナマコだが、アミノ酸、コンドロイチン、タウリンなどを含んでいる。冬に向け、これから旬を迎える。

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