【上昇気流】(2023年10月7日)

「お母さんからいただいた」という会話。「いただいた」というのだから、そこそこの物を与えられたのだろう。一昔前であれば「母親からもらった」と言えばそれでよかった。

「親に敬語を使うようになったのか?」と思っていたが、最近はそんな流れにも少しは慣れてきた。今から20年ぐらい前には「身内に敬語は使わない」というのが普通だった。が、言葉の上でのそんなルールが近年はっきり崩れてきた。

それでも、少しは慣れたにしても、親に敬語を使う風潮に対しては違和感がある。せめて、こんな奇妙な風潮が生まれた原因ぐらいは知りたいものだ。

どうやら、世間に対する極度な恐怖が「過剰な敬語」の理由の一つになっているのは間違いなさそうだ。「敬語を使わないことで世間から反発を受けるのが怖い」という不安心理が働くのだろう。

「忖度(そんたく)」といえば、政治の世界の話として否定的なものとされる傾向が強い。若者自身が世間全体に対して忖度し過ぎているのは奇妙だ。息苦しい世の中になったものだ。加えてネット社会でもあるから、情報が拡散するスピードは驚くほど速くなっている。そんなことも背景にあるようだ。今の流れからすれば、過剰な敬語は今後しばらく続くものと思った方がよい。

その半面、何かのきっかけで当今の風潮への逆風が吹く可能性はある。一方的な流れが永遠に続くことは考えられないからだ。こんな世知辛い時代がいつまで続くかが問題だ。

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