日本で虫歯を治療した際に入れてもらった歯の詰め物が取れてしまった。保険治療を利用した俗に言う「銀歯(パラジウム合金)」の詰め物で、かなり昔に治療したものだった。
知人の日系人歯科医に連絡をして治療をお願いした。しっかりとした技術と信頼を必要とされる歯科治療は、会計士などと合わせてブラジルの日系人が多く関わる仕事の一つだ。
予想していた通り、銀歯の隙間から虫歯が進行していて、持参した詰め物はもう使えないとのこと。ブラジルでは、銀歯は基本的に使用しないので、プラスチックかセラミックなど数種類の中から選ぶことになる。
「耐久性を考えるならセラミックをお勧めします」とのこと。日本ではセラミックを利用した治療は高価なので身構えたが、見積もりは驚くほどリーズナブルな金額が出てきた。日本で治療した場合の半額以下だ。
ちなみに、ブラジルでは、日系人を含めて歯を大切にしている人が多く、虫歯も初期の段階でしっかりと治療する。ホワイトニングを含めた審美歯科も人気だ。
1週間後に詰め物ができたとの連絡を受けて再度治療を受けた際、虫歯予防の話になった。ブラジルの多くの自治体では虫歯予防のために水道水にフッ素が入っているのだという。もちろん、健康に害がないとされる量のフッ素だ。
これは実際に効果が上がっていて、虫歯になる子供が大幅に減っているというのだ。そういえば、筆者の子供たちもほとんど歯医者の世話になったことがない。日本に比べてフッ素含有量が多い市販の歯磨き粉が理由とばかり思っていたのだが、水道水の影響も大きかったようだ。所変われば歯の治療や予防も変わってくるものだと感心した今回の出来事だった。(S)