学校いじめに司法介入 フランスから

パリ郊外のアルフォービルの中学校の教室に、突然警官が現れ、いじめ加害者容疑の14歳の中学生が逮捕されるという前代未聞の出来事が起きた。逮捕された生徒は他校生のトランスジェンダーの女子生徒をネットで脅迫していたという。

9月初めにはパリ西部郊外のポワシーで15歳の生徒がいじめを苦にして自殺した事件があった。この自殺が注目されたのは親から相談を受けた教育委員会が非常に冷淡で親を脅迫するような内容の手紙が送られ、それがネットに公表されたからだった。

フランスは昨年3月、急増するいじめによる自殺が政治問題化し、いじめを刑事犯罪と位置付け、罰則として実刑や罰金を定めた。

政府は現状把握と迅速な対応を行うため、今後、いじめ相談窓口で相談を受けた場合、自動的に地元の担当検察官に相談内容が報告されるとしている。新学年が始まった9月だけで通常の3倍の相談件数を記録したとアタル国民教育相は述べている。

さらに9月からはいじめ加害者を特定した場合、その生徒を校長と自治体首長が強制的に他校に転校させる権限が付与された。いじめ防止の教育プログラムも導入され、北欧で成果を挙げている「共感プログラム」で他者への敬意、寛容の精神などを学ぶプログラムの受講を義務付け、教員の研修も徹底されるとしている。

フランスでは10人に2人は初等教育の時にいじめを受けた経験があるとされるとの調査報告もある。司法の介入だけでいじめがなくなる可能性は低いとみられ、教育現場に司法が介入することの逆効果も懸念されている。(A)

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