【上昇気流】(2023年9月25日)

高浜原発2号機の原子炉起動操作をする運転員=15日午後、福井県高浜町(関西電力提供)

原子力規制委員会から火災への対策が不十分だと指摘され、再稼働の時期を先延ばししていた関西電力高浜原発2号機が約12年ぶりに再稼働した。これで関電の原発7基全てが稼働できる状態になった。

脱炭素化の流れを推進し、電気料金の抑制、何よりもエネルギー自給を見据えた原発の長期運転にかじを切る契機としたい。原発は再生可能エネルギーの普及を促す上で、伴走するベースロード電源としても欠かせない。

ただし、今回“お上”のお墨付きを得たから、原発業界はその運営について順風が見越せるということでは決してない。東京電力福島第1原発事故の影響は業界の内部でも小さくない。

長年電機メーカーで原子炉設計を担当した技術者の一人は「(今、原発事業では)安全性確保名目の世論対策・宣伝費が膨れ上がり、技術開発やその継承のための予算は極力絞られている。東電はじめ優秀な人材は『こんな所にいたら浮かばれない』と“脱出”してしまっている」と話す。

さらに東電はホームページで同事故の根本原因を分析し、「(炉心溶融のような)過酷事故対策の必要性を認めると、現状の原子力発電所が十分に安全であることを説明することは困難になると考えた」と総括。

国民に不安を抱かせないよう、抑制して広報してきたことを明かしている。今後、原発施設で小さなトラブルや不具合は起こり得る。その時、国民にどう伝えるのか、この際はっきりさせておくべきだ。

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