一転した電力事情 ネパールから

ネパールでは発電施設の不足やインフラの脆弱(ぜいじゃく)性もあり、慢性的な電力不足に悩まされてきた。筆者も首都のカトマンズにいながら、電力不足に伴う計画停電を幾度となく経験し、ネパールだから仕方ないという半ば諦めた感覚があった。

乾季には水力発電が難しくなるため、多くの電力を隣国インドから買電するとともに計画停電を幾度となく実施していた。

しかし最近、そのようなことがめっきり減って、以前の不便さがウソのように感じるようになった。新たな発電施設の稼働などもあり、特に雨季においては、多くの余剰電力も出てくるようになった。現在では、長らく買電してきたインドに対して、ネパールが売電するようになっている。

この余剰電力の売電はインドだけにとどまらない。今年6月1日、ネパールのダハル首相がインドを訪問し、インドを経由したバングラデシュへの電気貿易についても合意した。ディーゼル燃料輸入規制による計画停電が昨年7月から行われているバングラデシュで、深刻な電力不足を補うことが期待されている。

国を超えて、今や南アジア(サブリージョン)の枠組みまで、電力供給を通じて貢献するまでになってきた。今後においては、サブリージョンの一国としてだけでなく、サブリージョンを超えて、クリーンエネルギー分野において世界を牽引(けんいん)する国となってくれることを期待している。(T)

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