【上昇気流】(2023年9月7日)

塩害で枯れた稲 8月29日、新潟市北区

果物のナシやブドウやモモがスーパーの店頭に並んでいる。見慣れた光景で、初秋の到来を感じさせるが、福島県産の小さなモモを食べてみると、例年より味が劣り、原種に戻った感触があった。

福島県の5月の発表によると、県中地方を中心に4月上旬から霜が降り、その霜による農作物の被害額は4億3900万円に上った。被害は24市町村に及び、果物や野菜など16品目。リンゴやモモは開花期に打撃を受けた。

この夏、福島市に住む農家の知人を訪ねると、畑ではピーマンが枯れてチリチリとなり、自慢のキュウリも高温と水不足で不作だった。こうした被害は全国至る所にあるようだ。柑橘(かんきつ)類は皮が浮き、ブドウは栄養不足で、リンゴは着色不足。

新潟県では梅雨明け以降、まとまった雨が降らず、県内全域で平年より3~4度高く、高温と渇水で24の市町村で農作物に被害が出た(小紙9月4日付)。コメは361㌶で稲が枯れたり、葉が縮んだりしたという。

新潟市北区の阿賀野川沿いの水田では、稲が11㌶にわたって枯れた。塩害が原因だという。川の水をポンプでくみ上げて供給しているが、渇水で水位が下がり、海水が逆流したためだそうだ。

長岡市ではニシキゴイの養殖が盛んだが、池の水位が下がってひび割れが生じ、水中の酸素量が減って県内の養殖業者全体で512匹が死んだ。魚も被害を受けた夏だった。年ごとに強まる気候変動。この環境をつくったのは人間自身なのだ。

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