トップコラム【上昇気流】(2023年9月6日)

【上昇気流】(2023年9月6日)

107年ぶりの優勝を果たし、喜ぶ慶応ナイン=8月23日、甲子園

今夏の甲子園では選手の髪形が話題になった。丸刈りが多数だが、そうでない髪形も一定の存在感を示した。丸刈りを強制しない慶応高校が優勝するという事実もあった。「高校野球=丸刈り」の風潮は変わりつつある。

丸刈りに何かの根拠はあったのだろう。ただ高野連(日本高等学校野球連盟/本部・大阪市)には、選手の髪形を丸刈りにするという規定はない。高校野球の慣習のようなものだったと言える。

が、ここ10年ぐらいの間に様子が変わってきた。丸刈りを嫌う高校生が増えてきて、野球部に行かなくなるケースも多くなった。「それほど野球をやりたいなら3年間の丸刈り生活ぐらい我慢すればいいじゃないか」とも思う。

だが実際は、野球部志望の高校生が野球以外のスポーツに向かってしまった。「理不尽に耐えてまでやらなければならないことなのか?」との疑問が生まれたのだ。野球部の側も時代の変化は感じ取ったのだろう。丸刈り主義を改め、柔軟な対応を示すような流れが見えてきた。

重要なのは、高野連を頂点とする高校野球の存続だ。丸刈り主義を墨守することが重要なのではないという、それなりにまっとうな判断が生まれてきたのだろう。

無論、こうしたことは高校野球に限らない。スポーツの世界だけの話でもない。上意下達、理不尽といった社会体質をおのずと含み込んだ日本のあらゆる組織の在り方が変わりつつある。これは自然な流れと思える。

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