米国の首都ワシントンでは凶悪犯罪が増加している。新型コロナウイルスの感染拡大の際に、全米の都市で治安が悪化したが、その後、多くの都市で犯罪は減少傾向にある一方、ワシントンは増加の一途をたどっている。
同市で今年発生した殺人事件は160件を超え、昨年の同時期と比べ3割近くも上昇している。日中、市内の中心地を歩いても、危険になったという実感はないのだが、しかし、こうした事件が起きるのはたいてい日没後の時間だ。
犯罪の増加にはさまざまな要因が考えられるが、政治的にリベラル色が強い同市が、罪を犯した若者たちの逮捕や刑務所行きを回避する道を作るなど、近年実施してきた「犯罪に甘い」政策の影響もあるとみられている。
また、同市ではこの3年間で、警察官の数が500人近く減少した。これは、2020年に中西部ミネソタ州で黒人男性が警察官に暴行されて死亡した事件を受けた警察バッシングなどによって、警察官になることを希望する人が減少していることが関係しているとみられている。
犯罪率が上昇する中、同市の民主党議員からは「犯罪は制御不能」として、州兵を派遣するよう求めるなど、強硬な対応を求める声まで上がっている。また、少年犯罪が増加する中、同市は今月、14歳未満の少年に夜間外出禁止令を施行するなどの対応を取った。
こうした深刻な状況となっているのは残念なことだ。米国の首都として、誰もが安心して歩ける街であってほしい。(Y)





