トップコラム赤アリの一 タイから

赤アリの一 タイから

バンコクのレストランでは「外れたな」と思うことがほとんどない。朝がゆ専門の華人レストランもなかなかだし、タイ式ラーメンといったバミーナムだけで勝負している店も客足が途絶えない。

世界中の観光客が集まるバンコクには、それこそ日本料理から西洋、中南米、中華など各国の料理が楽しめる。しかも、料理人もそちらから呼んだりして、クオリティーはかなり高い。中でも好みの店は、民家を改装した一軒家レストランだ。

わが国でも、普通の一軒家の一部を改装しカフェやレストランにする店はあるものの、バンコクの一軒家レストランは丸ごとだから結構、楽しめる。大抵、こうしたレストランは庭が広大で、これをお客に開放している。だから、庭の芝の上の木陰で、ゆっくり昼食を楽しむことが可能だ。

タイは年中、暑いといえば暑いのだが、湿度が高くなくカラッとしていて、木陰に入れば爽快だ。こうした緑陰の風に吹かれながら出された皿を平らげ、ドリンクを飲み干せば、1時間の食事タイムはリゾートランチ気分だ。

ただ唯一、気を付けなければならないのは、マンゴーの木の下のテーブルだ。糖分に目がないアリは、マンゴーの木にも列をつくって往来していることがある。それも噛(か)まれると目が飛び出すような痛さを伴う赤アリのケースがままある。開放感のある庭園レストランでリラックスし、精神も弛緩(しかん)している中での赤アリの一撃は、“テロ”をも彷彿(ほうふつ)とさせる代物だ。(T)

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