トップコラム【上昇気流】(2023年7月31日)

【上昇気流】(2023年7月31日)

都内でも猛暑が続いており、街路に咲いている百日紅の濃い紅色は太陽の強い光にくすんで見える。昨年は8月に入っても色鮮やかだったが、残念。4月下旬から5月に咲くハナミズキも、今年は暑さで見頃の期間が短かったように思う。異常気象のせいか。

2021年ノーベル物理学賞受賞者の真鍋淑郎氏らの著書『地球温暖化はなぜ起こるのか』(講談社)によると「地球は全体として放射による熱収支平衡の条件を満たすような温度に達しようとする」原理がある。その結果、「地球の温度は(一定に)保たれている」。

つまり長い地球の歴史の中で産業革命後、すでに全球平均地表温度が1度ほど上昇しているのは、人間によってその定常状態が損なわれたゆえと分かる。今、地球上の気象現象は総体として温暖化の状況下にあると言える。

また温暖化が進むと干ばつの地域が増える一方、北半球の一部や熱帯地域では洪水の頻度が高くなることも同書で指摘されている。言及はないが、世界で頻発している熱波などもそのせいだろうか。日本でも地下水が枯渇しそうな所が少なくない。

異常気象は温暖化を抜きに考えられず、脱炭素化のための人類の努力は、その成果がきちんと見えるところまで続けなければならないということだ。

同書は、温暖化を予測し、真鍋氏のノーベル賞受賞の対象となった「気候モデル」の理論を紹介。夏の休みに手にする一冊として読み応え十分だ。

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