トップコラム【上昇気流】(2023年7月25日)

【上昇気流】(2023年7月25日)

大相撲名古屋場所は、関脇豊昇龍が初優勝と大関昇進を手にした。横綱照ノ富士の途中休場、大関貴景勝の休場、新大関霧島の不調という中でも、連日満員御礼が続いた。新入幕で最後まで優勝争いに絡んだ伯桜鵬の活躍などが場所を盛り上げた。

豊昇龍は、同じモンゴル出身の元横綱朝青龍のおい。身体能力の高さ、技の多彩さは、おじを思わせるものがある。負けん気の強さも共通している。

負けん気では、109年ぶりの新入幕優勝を逃した伯桜鵬も負けていない。千秋楽の豊昇龍戦では、得意の左四つになりながらも、上手投げで裏返しにされ、力の差をまざまざと見せつけられた。

番付から言えば当然だが、悔しさを隠さない。それでも敢闘、技能両賞を受賞。初土俵から4場所目での三賞受賞は史上最速だ。これからの大相撲を担う逸材であることは間違いない。

小結琴ノ若は大関昇進への足掛かりとなる11勝を挙げた。大関取りについては、本人も「もちろん、そのつもり」と闘志を燃やす。来場所以降が楽しみだ。

番付を前頭4枚目まで戻した朝乃山は、左腕のけがで実質4日間休み、再び土俵に復帰してから4連勝で給金を直した。痛みを抱えながらも、霧島、関脇若元春を破っており、元大関の地力を見せつけた。得意の右四つになった時の強さと安定感は、抜群のものがある。観客の声援も相変わらず大きい。口には出さなくても、三役への復帰は当然、その視野の中にあるはずだ。

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »