トップコラム【上昇気流】(2023年7月23日)

【上昇気流】(2023年7月23日)

「仮の世のひとまどろみや蝉涼し」(高浜虚子)。夏の主役であるセミの声が聞こえるようになった。しかし、まだ何か物足りないと思っていたら、ミンミンゼミの声を聞いて了解。このセミの登場で夏本番を感じた。

気流子なりに納得したのは、ミンミンゼミは特別だという印象である。セミの声は、日本のどこでも聞かれるようなアブラゼミにしても、全体で合唱しているイメージ。それに比べると、ミンミンゼミはオペラのプリマドンナのように独唱が目立っている。

セミの名前でも、ミンミンゼミは鳴き声から。その他、鳴き声を冠しているのは、ニイニイゼミやツクツクボウシなどだろう。アブラゼミやクマゼミ、ヒグラシなどは外観や特徴から名付けられている。

ただニイニイゼミは、やはり独唱というよりも合唱タイプ。個々としてはそれほど目立たない。ミンミンゼミと対抗できるのはツクツクボウシだろうが、鳴く時期がお盆のころとやや遅い。その上、ミンミンゼミのような迫力はなく、読経しているように聞こえてしまう。

気象庁が関東甲信・東北地方の梅雨明けを発表した。とはいえ、東京都心では梅雨の期間に35度以上の猛暑日となった日もある。梅雨が明ける前から暑さは真夏並みである。

セミの声と共に夏休みもやって来た。海や川、山などで自然に接する機会が多くなり、気を付けたいのは事故。先日も、福岡県で小学生の女児3人が川で犠牲になっているのは痛ましい。

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