卒業後は国外出稼ぎか?ネパールから 

ネパールの教育制度は、1~8年生(5~12歳)が基礎教育、9~12年生(13~16歳)が中等教育、その後の大学が高等教育と位置付けられている。義務教育に当たるのが基礎教育の期間となるが、就学率は9割を超えたものの、多くは経済上の問題で8年生を修了できるのは約7割だ。

中等教育期間では、10年生の時と12年生の時に全国統一テストがあるが、これが修了認定試験と大学入試を兼ねている。この試験に合格することで大学入学資格を取得することができる。だが、生徒の人生を左右することとなり、合格しなかった生徒の中には、自殺者も出ることがある。

さて、アジアの国々では海外への出稼ぎで家族を養う例は珍しくない。ネパールでも家族のために父親が海外に出て、自国にいる妻子に送金を行うという家庭が増加の一途をたどっている。親よりも子供は優秀になってほしいという思いで父母が行動しているということには間違いないだろう。

以前、「ネパールには、農業的なものか観光的な産業ぐらいしかない」と言う在日ネパール人の友人の諦めにも似たつぶやきを聞いたことがある。せっかく全国統一テストで大学入学資格を手にしても、卒業して就職できなければ残念だ。

確かに妻子のためには、海外に出て働いて稼ぐということにならざるを得ない事情もあるかと思うが、優秀な人材が国内に残り、自分が生まれた国のさらなる発展を目指して欲しいものだ。(T)

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