トップコラム海水浴は離岸流に注意

海水浴は離岸流に注意

先日、名護市の東江海岸で遊泳中だった17歳の男子高校生が沖に流され、2日後に遺体で発見される事故が起きた。未来ある若者の命が失われたことにまず追悼の意を表したい。

亡くなった高校生と一緒に泳いでいた友人らは、遊んでいるうちに沖に流されてしまったと証言している。地元紙の報道などによると、友人は流されている際、「足が引っ張られるような感覚があった」と話しているという。

お盆の時期に海に入ると「死者に足を引っ張られる」などの伝承は、沖縄を含め日本各地に存在するが、今回の事故で少年が感じた「足を引っ張られる感覚」とは一体何だったのか。

事故が起こった海域を管轄する第11管区海上保安本部によると、名護東江海岸は離岸流が発生しやすい海域だという。この離岸流こそが、少年の足を引っ張った正体であると推測される。

離岸流とは、海岸に打ち寄せた波が沖に戻ろうとする際に発生する強い流れのことで「リップカレント」とも呼ばれる。離岸流は一度発生すると1カ月近く発生し続けることもある一方、発生から2時間後には位置を変えることもあるという気まぐれな性質を併せ持っている。

離岸流に巻き込まれると、知らず知らずの間に沖まで流されてしまい、岸に戻ろうと流れに逆らおうとするうちに溺れてしまう危険がある。

離岸流に巻き込まれてしまった場合の対処方法は、①まずは落ち着く②可能であれば周りの人に流されている状況を伝える③岸と平行に泳ぐ(無理に岸に向かって泳がない)④沖に向かう流れ(離岸流)を感じなくなったら岸に向かって泳ぐ⑤泳ぎに自信のない場合、浮くことに専念する――(海保ホームページより)ことだ。

正しい知識を持ち、安全に海水浴を楽しんでもらいたい。

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