先月、引っ越しをした。筆者夫婦と長男家庭3人(後に4人になった)、他の子供3人の2世帯8人で住み始めてちょうど10年。長男家庭が独立を望み、下の子供たちも皆社会人になったので、取りあえず夫婦と息子2人の4人だけで住むことになったためだ。
住居が小さくなったため、所持品も大幅に減らさざるを得なくなり、筆者の書籍や紙の資料、妻の食器や台所用品がその対象となった。もう読んだり使ったりしないと分かっていても、一度出会ったものと別れるのは忍びないものだ。時間的な余裕がなかったので、まだ多くの本や資料を段ボール箱に詰め込んだまま押し入れに置いているが、これから徐々に処分していかなければならない。
あの世に逝く時はすべての物を置いていかなければならない。その時までの生活をより有意義にするために、これからも暮らしのダウンサイジングを繰り返すのだなあと、改めて思わされた。
もう一つ、今度の引っ越しで考えさせられたのは、マイナンバーカードのことだ。転出届は息子に出してもらい、筆者は転入届だけ手続きを行ったが、転入届の書類を書いてマイナカードと一緒に窓口に提出し、これで手続きは終わったと思ったら、今度はマイナカードの再発行手続きをお願いしますと言って、また書類を渡された。
マイナカードがあれば行政手続きが簡単になると思っていたのに、カードのための追加手続きが必要になるとは何事か。住所が変わったら、自治体への住所移転の届け出に加え、(14日以内に)カードの住所変更もしなければ失効するのだという。
カード導入のメリットには国民利便性の向上が掲げられている。紐(ひも)付けトラブルへの対応も重要だが、まずは住所変更ぐらい、1回の手続きでできるようにすべきではないのか。
(武)