老後資金は大丈夫?韓国から

日本以上のスピードで高齢化が進む韓国。直近のデータでは、平均寿命が男性80・6歳、女性86・6歳と、世界一の日本人と変わらない年齢まで伸びてきた。だが、この長寿、喜んでばかりはいられない。「老後をどう生き抜くか」という課題に直面しているからだ。

先日、韓国の知人に日本の「老後2000万円問題」を話したら、「不足分は2000万円ではきかない」と言われてしまった。韓国人の支出はここ20年で大幅に増え、自(おの)ずと「目が肥えた」(40代韓国人男性)。老後に想定する生活レベルもなかなかのものだ。

ある大手紙が老後資金の記事で、ズバリいくら必要かを巡り「60代夫婦がソウルで住むには年金を含め1カ月330万ウォン(約37万円)」と書いていた。80代半ばまで必要な総額は10億ウォン(1億1000万円)に達するとも。年金を含む準備金は半分という統計もあり、そうなると韓国人には「老後5000万円問題」がのしかかっているわけだ。

それだけが理由ではなかろうが、満65歳以上の高齢者の3人に2人が生活費を稼ぐため夫婦いずれかが働いているという。「5000万円」という目標に向かい、老体に鞭(むち)打って働く老後を送る人も少なくないということだ。数字とにらめっこしながら老後設計をする社会の到来は日本と同じ。最近流行(はや)りの、自宅を担保にした融資制度で持ち家に住みながら老後資金を捻出する金融商品も韓国で出回るご時世である。(U)

spot_img
Google Translate »