【上昇気流】(2023年6月27日)

最近はマンガやアニメの話題作を実写化するというケースは少なくないようだが、マンガやアニメをあまり見ない気流子はそんな映画を観(み)ることはまずなかった。しかし、その舞台が自分の生まれた町で、卒業した高校となると話は違ってくる、

オジロマコトさんが『ビッグコミックスピリッツ』で連載し、アニメ化されテレビ東京系で放映されている『君は放課後インソムニア』。池田千尋監督の実写映画となり、全国の映画館で上映中だ。

石川県七尾市が舞台で、不眠症という共通の悩みを抱える男女生徒2人が出会い、天文部の活動を通じ心の交流を深めていく青春ドラマだ。

早速、東京・渋谷の映画館で観たが、舞台の高校をはじめよく知った風景が出てくるので、そのことばかりに注意が行ってしまった。しかし、映画の中では美しく詩的な風景に観えるのである。

それは、映画の文脈の中で観ているのと、撮影の技術によるものと思われる。監督やカメラマンの腕である。気流子にとってはふるさとの風景再発見の映画であり、風景とは何かを考えさせる作品であった。

難病を抱えながらも前向きに生きる主人公、伊咲役の森七菜さんはじめ出演者もよかった。青春・学園ドラマとして後味も爽やかだった。地元では4月から始まったTVアニメとこの映画が、観光客誘致の起爆剤になることを願っている。高校の友人から、人口減に悩む地元の現状を聞かされる気流子も同じ思いだ。

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